タイプではありませんが
「ありがとうございました」
合掌で挨拶をする。周りを片付けてシャワーを浴びて、家までゆっくり散歩して帰る。
いつもと同じ最寄り駅からの帰宅路。
解れた軽くなった体で歩く。
ただそれだけのことだが、数ヶ月前とは違って足取りは軽い。
病気になって、いや、その前からきちんと食べて適度に運動してしっかり眠ることのバランスが崩れていたのだと自覚する。
(部長に感謝……だ)
異動を命じられた時にはまだ納得していなかったことが、ようやく腑に落ちる。
まさに心身一如。体と心は繋がっているのだ。
体を調えれば心も調う。
現に、中々安定していなかったバセドウ病の数値も順調に下がってきている。
新しい部署のやり方にも馴染んで来た。
あれだけ拘っていた営業に未練はない――というと嘘になるが――今の仕事とプライベートのメリハリがついた生活には満足している。
運動もできるし、ないがしろにしていた資格の勉強も始めた。
時折モヤッとすることはあるけれど、体を動かすことでうまく発散できている。
――星野のことを除いては。