タイプではありませんが
5.誕生日プレゼント
最初の通院以来、二週間おきの病院通いに星野は必ず着いてきた。帰りはお約束のように前回と同じように食事をして過ごすこと二回。
その間にあった変化といえば季節が秋から冬に進んだことと、楓の最寄り駅まで星野が送るようになったこと。
そして、今日は。
「良かった。少しは体は楽?」
数値が少し下がって通院が一ヶ月後になったのだ。
「あんまり実感はないけど、寝れるようになったかな。以前に比べたら、だけどね」
薬で抑えられてるのか、前は中々寝付けなかったのが今はだいぶ良くなった。
喉仏にある小さい器官から出る微量のホルモンに翻弄されるのは地味にツラい。
ホルモンが過剰に出ている状態に慣れた体を少ない、と言っても正常値のホルモン量に近づける際の苦労は経験しないとわからなかった。
「無理はするなよ」
星野からの声掛けに素直に頷くだけのゆとりも出来る。
少しだけ光明が見えてきて、楓はご機嫌だった。
だから星野の提案もつい了承してしまった。
「次は、病院の帰りじゃなくてさ。何も無い休みの日に気になるって言ってた映画、見ようよ。一週間後、新宿で待ち合わせで」