タイプではありませんが
恒例になった星野との病院終わりのランチ。いつものように取り留めのない話をする。
星野の誕生日に起きたことはお互いに触れずに。
年内最後の通院は、年の瀬の二十九日だった。
一ヶ月に一回でよくなった通院だったが、年末年始にかかるから十二月は二回来院したのだ。
二回の病院の日と星野の誕生日。十二月は三回も彼と会うことになったが、楓は苦痛には感じていなかった。
それどころか、来月は通院の日が一回だから会う回数が減って寂しく思うほどだ。
……決して好きになったからではない。
彼との会話が弾むから。共通点が多いから話すことが楽しいだけ。
仲のいい女友だちと話すのが苦でないように。
「年末年始、どうするん?」
話の区切りで星野が聞いてきた。
「大晦日に千葉の実家帰って二日にはこっちに戻ってくる予定。琴美の家に呼ばれてるし」
「田中琴美?」
「そーそー」
「山下と仲良かったもんな。よろしく言っておいて」
「おけ」
琴美は星野と楓の同期だ。そして、同じく同期の田中と結婚して今は産育休中だ。
同期で結婚一番乗りだった琴美は、楓が体調を崩したくらいに元気な子どもを産んでいる。
体調もマシになったし、琴美からも赤ちゃんが三ヶ月経ったから是非会いに来て、と言われているから、休みを利用して会いにいくことにしたのだ。
「ホッシーは?」
「俺も帰省するよ」
「どこだっけ?」
「四国の香川。行ったことある?」
「ないなぁ。四国って遠い気がするから」
「飛行機乗ったらすぐだよ。今度案内するから、うどんでも食いに行こ。うまい店知っとるから」
楓はうん、と返事をしようと思って、はたと気付く。
近所の、それこそタカノに行くように誘ってくるが気楽に行ける距離ではない。
ましてや星野の地元なら誰に会うかわかったもんじゃない。