タイプではありませんが
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予想通り、いや予想以上の母ご指名の商品を数日かけて大量に買い込み、海外旅行用の大きなキャリーケースに詰めた楓は、自宅を出るときにはもう疲れ果てていた。
それでも実家のドアを開ける前から甥姪の騒がしい声に顔をほころばせる。
どうやら既に他の兄弟たちは帰っていたようだ。
「お帰り〜」
「ただいま」
誰かに出迎えられるのも久しぶりだ。父に頼まれていた酒と母に渡した大量のスイーツ、ついでに買ったおせちの足しになるような日持ちする生ハムだのローストビーフだのを渡し、仏壇に向かった。
亡くなっている祖父母が好きな有名店の羊羹を供え手を合わせる。
その最中も元気にまとわりついてくる子どもたちに楓の頬も緩む。
「順番ね」
抱っこをせがむ子どもたちの頭を撫でながら、順番に抱き上げ、一人ひとりに挨拶をする。
兄のところに二人、妹のところに四人。合わせて六人もの子どもがいると、いるだけで賑やかだ。
田舎の家で部屋数もそこそこ多い筈なのに、両親と兄妹夫婦、その子どもたちが揃うと狭く感じる。
楓は一通り子どもたちに挨拶すると、母がいる台所に向かった。