タイプではありませんが
男勝りの楓は、同級生から恋愛対象に入ることもなく。モテるのは、桜のような華奢で女の子っぽい娘。
楓みたいな娘はまず弾かれる。
妹からモテる苦労も聞いていたし、人を好きになることもよくわからなかった楓は、バレー一筋に過ごしていた。
だけど哲に告白されて、男子バレー部の彼の隣に立つと楓も普通の女の子のように見えて。
二人共部活帰りでジャージなのにさり気なく車道側を歩いてくれる哲の隣を、お小遣いで買った色付きリップをつけて歩く。
手も繋がないくらい淡い恋だったけど、ちゃんと女の子として扱ってくれる哲に、何故か肩の力がスッと抜けたのだ。
小っ恥ずかしくて女の子っぽく振る舞うのを避けていたけど、本当はこんな風に男の子から女の子扱いされたかったのだ。
でも小さい頃から身についた癖は中々抜けない。
自分と同じくらいの身長の男性には女の子っぽく振る舞うことができない。照れくさいのだ。
男性も自分と同じくらいの楓は、友達にはなれても彼女にはしないことはわかっている。
だからこそ、自分より十五センチ以上高い一八〇センチ以上で筋肉質な人がいいのだ。
それ以外の人は、はなから恋愛対象に入らない。