タイプではありませんが
「年明け会うし、その時にちゃんと断るつもり。ホッシーと話すのは楽しいし、楽だけど、やっぱりタイプじゃないから」
「楓がそう思っているなら仕方ないけどさー。なんか腑に落ちないんだよね、振る理由に」
さすがに琴美は鋭い。楓は迷った末に少しだけ本音を話した。
「ホッシーと付き合うと、常に営業できない自分に向き合わないといけないから」
二人は一瞬黙りこくった。楓が営業から営業事務に移った理由は同僚は皆知っているから。
同期の二人は特に楓がどれ程営業が好きか知っているから。
病気で仕方ない。一時的なものだ。
そう自分を誤魔化してはいるが、悔しいのだ。
自分の開拓した顧客を引き継いだのも。
今はアシスタント業務にしか携われないことも。
どれだけ有効な資料を作っても、評価されるのは営業なのも。
沈黙を破ったのは琴美だった。
「もどかしいね、それ」
琴美の続く言葉に、楓は驚いた。