タイプではありませんが
何故か今日はやけに星野が格好良く見える。
スーツ姿も見慣れているはずなのに。
「そうなの? ありがとう」
平静を装って悟られないように、早口で礼をいう。
目を合わせないように下をむき、楓もまだ残っているご飯を口に運ぶ。
星野のことを気にするのもいいが、のんびりしていると昼休みが終わってしまう。
あっという間に定食の半分を平らげた星野は、楓に話しかける。
「なんか久しぶりだね、こうして向かい合っているの」
「そうかな。よく喋ってる気はするけど」
営業と営業事務の間柄だ。仕事上話すことは多い。
特に顧客も多いし細かいところまで気にかける星野とはやり取りが多いほうだ。
「仕事抜きでだよ。ほら、全然飲みにも行けてないしな」
職場だから変なウワサにならないように気を遣っているのだろう。
当たり障りない言葉で話す星野にイラッとした。
「だって付き合ってないしね」
そんなセリフが飛び出すなんて。
慌てて口を押さえた。
驚いたあと満面の笑みを浮かべる星野とは対象的に、楓は自分の言葉に傷つく。そのことに気づいて、楓はギョッとする。