タイプではありませんが
「そっかあ、姉弟か」
楓は呟きながらホッとしたように息を吐く。そのことにギョッとして動きを止めた。
このため息は……。
楓は目を伏せる。
「山下」
いつもより低い星野の声。わずかに掠れている声。
お願い、次の言葉は言わないで、という楓の願いは届かない。
「ヤキモチだよね、それって。……俺のこと、好きだよね?」
楓は首を左右に振る。
違う、いや、違わないけど、違うの。
だって、その気持ちを認めたら、仕事しているあなたへの嫉妬心をどうすればいいの。
一緒にいる時も羨ましく思って、場合によって感情的に詰ってしまうかもしれないのに。
「山下」
顔を上げたら駄目だ。自分がどんな目をしているか、見なくてもよくわかっている。
「こっち向いて」
ズルい。
耳元でささやくなんて。
「……やだ」
ため息なのか、それとも笑っているのか。
どちらとも取れるような息を吐いて、星野は強引に楓の顎をつかんで上を向かせ、唇を塞いだ。
せっかく星野が買ってきた焼きそばとたこ焼きも、キス一つでどうでもよくなる。
昨日の続きのように舌を絡められ、歯をなぞられ。
ズルズルと力が抜ける楓の体を支える星野の体が押し付けられる。
「紳士でいようと思ったけど、ごめん、我慢できないや」
「はぁ……んっ」
キスの合間に挟まれる言葉に、もうまともに返事をする思考は残っていなかった。
「……楓、好きだよ。ずっと前から。だから、……抱きたい、楓を」
ズルい。そんな熱っぽい声で、名字じゃなくて名前で呼ぶなんて。
星野にしがみついた楓ができた返事はこれだけだった。
「ベッドっ……あっち」