タイプではありませんが

 親しげに星野のことを名前で呼んでいたのも、食べ物の好みを知っていたのも、お姉さんだとしたら辻褄は合う。
「山下の彼氏が席外した時に言わなかったっけ?姉だよって」
「……聞いてない」
「そうだったっけ?田中とかには言ったから伝えた気になってたのかな?」
 しばし考えた星野はあぁ!と声を上げた。何か思い出したようだ。
「そうだ、山下には話してなかったんだ」
「なんでよ」
「姉貴に言われたの。「アンタに興味あるなら楓ちゃんの方から聞いてくるから。尋ねてこなかったらきっぱり諦めな」って。……山下、本当に聞いてこないもんな」
 琴美の家で星野の元カノの話をした時の二人の微妙な顔。
 そういうことかと、やっと腑に落ちた。

「本当に姉だよ。……ほら」
 星野が見せてきたのは正月の集合写真。
 その中に星野とあの時の彼女が映っている。
「これが姉の旦那さん。ちなみにこっちが一番上の姉貴でこっちが二番目の姉夫婦。彼女のフリしたのは三番目。後は両親と甥っ子姪っ子達」
「お姉さん多いんだね」
「うん、三人。末っ子長男なんだよ」
 あの時星野と親しげに話す姿にボディータッチもしていたからそこまで気が回らなかったけど、改めて写真で見てみると星野と顔立ちが似ている。
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