タイプではありませんが
※
星野にはベッドで目覚めたときに楓の気持ちをすべて話していた。
惹かれていることも、同時に妬ましく思っていることも。
面と向かって言えないことも、情事の後、裸で彼の胸に抱かれているときにはスラスラ出てくる。
うんうん、と黙って聞いていた星野は楓がすべて吐き出した後、こう言ったのだ。
「うん、わかっていた」
と。
楓の気持ちなんかとっくに星野に伝わっていたのだ。
入社して以来、同じ部署で沢山語り合ってきたのだ。
時には営業として意見をぶつけ合い、時には同期としてアドバイスを貰い、時には友人として助けてもらい。
社内で一番意見を言い合い、お互いのことを話してきたのだ。
楓の考えなどお見通しなのだったのだ。
その上で星野は言ったのだ。
「山下が営業に戻れるまでお試し交際しない?」
と。