タイプではありませんが

「やっぱり覚えてないんだ。……そんな気はしてたけど」
「えっと……」
「その時もあっさり流されてるからな、告白。「冗談でしょ、ホッシー。ってかお互いそんな感情持ってないでしょ」って笑いながら」
「うわっ!ひどいね」
 ポロリと感想がこぼれた。そこまで言われても何一つ思い出せない。
 楓の心の内を読んだかのように星野は悲しそうに答える。
「そうだよ。ひどいよね、山下。全然覚えていないでしょ」
「うぅ……。ごめん」
 そこまで言われても全く思い出せない。
 呆れたように星野は笑う。いや、呆れじゃない。自虐しているような顔。
「まぁ、ベロベロに酔っ払っていた山下に告白した俺も俺だけど」
「それは……」
 告白した相手が自分じゃなければ、「そんなときに告白するホッシーが悪いよ」と言えたのに。
 忘れている自分が悪いと負い目もあるから口をつぐむ。
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