タイプではありませんが


 星野は楓の投げかけた問いに、鳩が豆鉄砲食らったような顔をして――本当にそんな顔する人いるんだと驚くくらいだ――そっぽを向く。
 横を向いた星野の頬が、いや耳まで真っ赤に染まる。
 かける言葉が見つからないまま、ただ星野を見つめるだけの楓。
「本当にわかんない?」
 やっと星野が口を開いた。
 顔はまだそっぽ向いたままだが、横目で楓を見てくる。
 楓は黙って頷いた。

 はぁ、と深い溜め息をつくと星野は一息に喋りだした。
「好きだからだよ。ってか、今月で決めた三ヶ月が終わるのに一向に会ってくれないし。メッセージ送っても途切れがちだし。アピールしようにも連絡すら取れないとどうしようも無いじゃん」
「えっと……」
「めっちゃ理性抑えていたのに、ちょっと強引にキスとか家に押し入ったらあっさり受け入れるし。ベッドまで案内してくれるから。そりゃあいいように解釈しちゃうって。好きなんだから。
なのに、コトが終わって話してみたら「付き合わない」っていう顔して正面に座るし」
「いや……」
「正直余裕無いの、俺。どうしてもこのチャンスを逃したくない。……だいぶ前だけど一度振られてるし」
「え?」
 初耳だ。全く楓の記憶にない。
 驚いた顔の楓に、星野は再びため息をついた。
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