海に凪ぐ、君の名前
その日の夕方、ナツさんから、父の書斎へ行くようにとの伝言を預かった。

時間通りに書斎の扉の前までいって、扉に手をかける。

ふうっと息をついた。

少し寝たからか、今朝ほど動悸はしない。

緊張はするけれど、少し違う感じだ。

______姉が、居るからだろうか。

ひとりじゃないから、かもしれない。

ドアのレバーハンドルを握り直す。

力を込めて、ぐっと押した。
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