アラ還の、恋は野を越え山越え谷越えて
いつものように仕事終わりに病室に行った。
「退院前に話したいことがある。
俺は鈴木君のようになりたくない。家族じゃないと病室に入れないとか、家族じゃないと出来ない、まだ他にもある色々な手続き関係。紗依ちゃんだけではなくおれも関わりたいし、俺のことも関わって欲しい」
じっと聞いてはくれているが返事がない。
「ほんとは直ぐにでも一緒に住みたいと思ってる。でも、紗依ちゃんと親子水入らずは今しかないし、二人だけで居られるの今しかないでしょ」
どした? じっと見つめて、俺、なんか変なことを言ったか?
「一緒に住みたくないんじゃなかったの?」
誰がそんなこと言った!
「俺は退院したら直ぐにでも良い。でも、紗依ちゃんとも大切に過ごして欲しいから」
由佳は涙でべちょべちょになって頷いた。
「お母さん!」
紗依ちゃん、どこから今の会話を聞いていた?
「私は良いと思う。ほんとはずっと一緒に住みたいと思ってる。でも、お母さんが笑ってるのが一番大事」
そして俺に向かって、「匠さん、母をお願いします。それから私の結婚式、一緒にバージンロード歩いてもらえませんか?」
考えても見なかった。
受け入れて、認めてくれただけでも嬉しいのに、バージンロードなんて夢のよう。
「それはダメだよ」
由佳によって現実に戻された。
「お父さんが亡くなってまだ一年。匠さんは大丈夫って言ってくれたけど、克くんのご両親がなんて思う? 紗依がこれから一生付き合っていくのに肩身の狭い思いしてほしくない」
やっぱり由佳は母親だ。
紗依ちゃんのこと、克くんのご両親のことまで考えてなかった。
「あの…、それは大丈夫です」
今まで黙ってた克くんが話し出した。
「紗依にも言ってなかったんだけど、お袋にお母さん達のこと少し話したんだ。そしたらお袋、すごく羨ましがって、『私も一人になったら誰か素敵な人、表れないかしら』なんて言って…、勝手に話してごめんなさい」
勝手に話したことに文句を言ってる紗依ちゃんの横で、由佳が涙をためて笑っていた。
「退院前に話したいことがある。
俺は鈴木君のようになりたくない。家族じゃないと病室に入れないとか、家族じゃないと出来ない、まだ他にもある色々な手続き関係。紗依ちゃんだけではなくおれも関わりたいし、俺のことも関わって欲しい」
じっと聞いてはくれているが返事がない。
「ほんとは直ぐにでも一緒に住みたいと思ってる。でも、紗依ちゃんと親子水入らずは今しかないし、二人だけで居られるの今しかないでしょ」
どした? じっと見つめて、俺、なんか変なことを言ったか?
「一緒に住みたくないんじゃなかったの?」
誰がそんなこと言った!
「俺は退院したら直ぐにでも良い。でも、紗依ちゃんとも大切に過ごして欲しいから」
由佳は涙でべちょべちょになって頷いた。
「お母さん!」
紗依ちゃん、どこから今の会話を聞いていた?
「私は良いと思う。ほんとはずっと一緒に住みたいと思ってる。でも、お母さんが笑ってるのが一番大事」
そして俺に向かって、「匠さん、母をお願いします。それから私の結婚式、一緒にバージンロード歩いてもらえませんか?」
考えても見なかった。
受け入れて、認めてくれただけでも嬉しいのに、バージンロードなんて夢のよう。
「それはダメだよ」
由佳によって現実に戻された。
「お父さんが亡くなってまだ一年。匠さんは大丈夫って言ってくれたけど、克くんのご両親がなんて思う? 紗依がこれから一生付き合っていくのに肩身の狭い思いしてほしくない」
やっぱり由佳は母親だ。
紗依ちゃんのこと、克くんのご両親のことまで考えてなかった。
「あの…、それは大丈夫です」
今まで黙ってた克くんが話し出した。
「紗依にも言ってなかったんだけど、お袋にお母さん達のこと少し話したんだ。そしたらお袋、すごく羨ましがって、『私も一人になったら誰か素敵な人、表れないかしら』なんて言って…、勝手に話してごめんなさい」
勝手に話したことに文句を言ってる紗依ちゃんの横で、由佳が涙をためて笑っていた。