この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
第九章 真実の言葉と永遠の愛

1. 新たな道へ

 二階の窓から見えるのは穏やかな瀬戸内海。視線を上げれば、よく晴れた空が広がっている。

 明日香は故郷の海に懐かしさを覚えながらも、初めて訪れたこの場所に新鮮さも覚える。

 ここは山口県内にあるレストランの一室。海の見えるこの個室で、明日香とテーブルを同じくするのは、今日初めて相対する男性。明日香の見合い相手である平山(ひらやま)佳信(よしのぶ)だ。

 今いる店を含め、山口県を中心に複数の飲食店を持つ彼は、現在二十九歳という若手の経営者。すでにそちらの道で成功を収めているが、やはり如月味噌を継ぎたいという気持ちは未だ変わっていないらしい。

 明日香が見合いを承諾すると、すぐさまその日程が取り決められた。明日香はゆっくりと準備する余裕もなく、今日という日を迎えている。

 だが、それはとても好都合なことだった。余計なことを考える暇もなく、ここに来られたのだから。
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