この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 通話を終えた明日香は、第三の選択肢を前に思い悩む。

 明日香が取れると思っていた選択肢は二つだった。慶介のそばで偽りの恋人を続けるか、彼と別れてただの片想いになるか。ただし、前者は取るべきでないと思っていたから、実質的には後者一択だった。

 けれど、今になって別の誰かともう一度恋をしてみるという選択肢が現れた。

 明日香の好きな人はこの先ずっと慶介のままのような気がしていたが、将人から心変わりしたように、慶介から心変わりできる可能性だってある。

 明日香の『好き』はちゃんと本物になったのだから、別の誰かで試しても上手くいくかもしれない。

 理論的に考えれば、至極正しいことのように思えるが、そうなってしまうのはなぜだかとても嫌だった。

 結局、どれだけ考えてもどれを選ぶのが正解かはわからなくて、明日香は答えの出ない問題を延々と考え続けていた。
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