この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 互いに軽い自己紹介を終えると、平山は人好きのする笑みを浮かべ、優しい気遣いを見せてくる。

「こちらからお見合いをお願いしておいてなんですが、今日はあまり堅苦しくならず、気楽に食事と会話を楽しみましょう。かしこまっていたら、お互いの大切な部分がきっと見えないでしょうから」

 見合いといっても親は同席しておらず、この場にいるのは二人だけ。彼の言う通り、気楽に過ごした方がいい時間になるだろう。

「そうですね。このお食事も楽しみたいですから、今日はお互いに自然体でいきましょう」

 二人の間に和やかな空気が流れる。

 如月味噌を継ぎたいと言い続けている人だから、かなり押しが強い人なのかと思っていたが、実際に会ってみるととても穏やかで紳士的な人だ。

 見合いという点ではどうしても緊張を覚えるが、この人と過ごすのは悪くないと感じられた。
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