この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「わかった。それなら週末デートに行くか」
「えっ!? デート!?」

 どうしてここで驚くのかさっぱりわからない。恋人らしくと自分で言っておいて、デートすら想像していなかったのだろうか。

「なんで驚くんだよ。恋人らしくするんだろ? だったら、デートくらい行くのが普通だろ」
「確かに」
「それともそこまではやめとくか?」

 明日香が想定していなかったなら、無理をしてまでやることはない。彼女が望む範囲で付き合ってやろうと思っての問いかけだったが、明日香は静かに首を横に振る。

「ううん。したい。デート行こ!」

 急に乗り気になって瞳を輝かせる明日香がおかしい。

 慶介は小さく笑いをこぼしてから頷いた。

「わかった。じゃあ、週末は予定空けとけよ」
「うん、空けとく!」

 デートの約束をしているというのに、二人の空気はいつもと変わらない。

 きっとデート中もいつも通りの二人で過ごして終わるだろうとは思うものの、心許せる友人との初デートに、ほんの少しだけ胸を躍らせている自分がいた。
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