この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
自宅の最寄駅から何度か電車を乗り継ぎ、トータル一時間半ほど電車に揺られた明日香は、ようやく目的の駅・江ノ島へと到着する。
車内にいた観光客らしき人たちがぞろぞろと降りていく。明日香もその流れに乗り、電車を降りた。改札までたどり着くと、ここにいるであろう待ち人を探す。
改札口で待っているという連絡が少し前にきていたから、この辺りにいるはずだ。
軽くきょろきょろと改札の外を見回してみれば、その待ち人はすぐに見つかった。
「穂高、早いね」
明日香はそう言いながら、改札から少し離れた場所に立っていた慶介の方へ駆け寄る。あちらも明日香に気づいて、歩み寄ってくる。
「デートだからな。明日香を待たせるわけにはいかないだろ」
下の名を呼ばれて明日香は驚く。
これまでの長い付き合いの中で、慶介から下の名で呼ばれたことはただの一度もない。唐突に呼び方を変えられ、動揺してしまう。
「っ!? あ、明日香って……」
「このくらいで動揺してどうするんだよ。恋人って設定なんだろ?」
どうやら恋人になりきるつもりらしい。その気遣いはありがたいが、せめて事前に確認してほしかった。
「……そうだけど。不意打ちはやめてよ」
動揺を誤魔化すように、軽く眉根を寄せて、非難を込めた目で慶介を見る。
だが、その誤魔化しも慶介にはばれているのだろう。彼は声を必死に抑えながら、肩を揺らして笑っている。
車内にいた観光客らしき人たちがぞろぞろと降りていく。明日香もその流れに乗り、電車を降りた。改札までたどり着くと、ここにいるであろう待ち人を探す。
改札口で待っているという連絡が少し前にきていたから、この辺りにいるはずだ。
軽くきょろきょろと改札の外を見回してみれば、その待ち人はすぐに見つかった。
「穂高、早いね」
明日香はそう言いながら、改札から少し離れた場所に立っていた慶介の方へ駆け寄る。あちらも明日香に気づいて、歩み寄ってくる。
「デートだからな。明日香を待たせるわけにはいかないだろ」
下の名を呼ばれて明日香は驚く。
これまでの長い付き合いの中で、慶介から下の名で呼ばれたことはただの一度もない。唐突に呼び方を変えられ、動揺してしまう。
「っ!? あ、明日香って……」
「このくらいで動揺してどうするんだよ。恋人って設定なんだろ?」
どうやら恋人になりきるつもりらしい。その気遣いはありがたいが、せめて事前に確認してほしかった。
「……そうだけど。不意打ちはやめてよ」
動揺を誤魔化すように、軽く眉根を寄せて、非難を込めた目で慶介を見る。
だが、その誤魔化しも慶介にはばれているのだろう。彼は声を必死に抑えながら、肩を揺らして笑っている。