この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 明日香は先ほど自分がブレンドしたソースを口に含み、味と香りを確かめる。

 今、ここにいるメンバーで試作しているのは、揚げ物用のディップソース。酸味の少ないマヨネーズを主軸に置き、そこに様々な材料をブレンドしている。

 明日香が目指しているのはさっぱりとした味わいのものだが、ハーブの香りが強くてさっぱりを超えている感じがする。決して悪い出来ではないが、まだ改善の余地がある。

 どれを変えれば理想に近づくだろうかと腕を組んで考えていると、慶介が突然、明日香がブレンドした材料を指さしてきた。

「如月、これ外してみろよ。その方が如月の目指すものに近いと思う」

 慶介が指さしているのはバジル。爽やかさを出すために入れたものだが、現状のブレンドだと主張が強すぎるかもしれない。その提案は一考の価値ありだ。

 明日香は早速バジルを抜いたものを試してみる。

「ん! これこれ! 爽やかすぎず、もったりしすぎず、ほどよい風味。これをフライに合わせたら最高でしょ!」

 納得のいく出来にうんうんと頷いていれば、慶介が自分が正しかっただろうと言わんばかりの表情でこちらを見てくる。
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