この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
3. 大切な存在 side慶介
明日香を家まで送り届け、駅まで歩く道すがら、慶介は小さくぽつりとつぶやく。
「悪くないもんだな」
たとえ偽物だったとしても、恋人という存在がいることは悪くないものだと実感している。なにしろ慶介の心は今とても優しい気持ちで満たされているのだ。
奈菜を前にしたときには切なさを覚えはしたものの、明日香の存在によってそれは別の感情へと昇華されていった。ポジティブな気持ちが前面に出てきて、今までのような苦しさを感じることはなかった。
こんなにも穏やかな気持ちで奈菜と向き合えたのは久しぶりだ。そのことに喜びを覚える。
自分の恋が叶わないことは遥か昔に受け入れているが、好きな人と顔を合わせれば、どうしたって感情は揺さぶられる。それはもうどうしようもないことだと思っていた。
だが、心の拠り所ができたことで、感情の揺れは随分と小さくなっていた。どうやら本当の意味で失恋を受け入れられたようだ。
それもすべて明日香のおかげ。もがき苦しみながらも、前に進もうと頑張り続ける彼女の力が慶介の心も変えてくれたのだ。
とても近い距離で、終わらない片想いに必死に足掻く彼女の姿を見て、慶介は強く心を揺り動かされた。
どうにかして明日香を救ってやりたい。自分も明日香のように足掻いてみたい。そう思った。
間違いなく彼女からいい影響を受けている。だからだろうか。明日香の存在が日に日にその輝きを増しているように思う。
明日香のことは友人として、同僚として、以前からとても大切に思っていたが、今はもっと強い思いで彼女を大切に思っている。
さすがに、恋心があるとは言えないが、友人以上には大切な存在になっている。
これまで長年そばにいて、慶介は明日香の人となりをよくわかっている。真っ直ぐで、不器用で、頑張り屋で、誰よりもかっこいい人。
そんな明日香を心から尊敬しているが、恋人という距離にいる今は彼女のかわいさに胸を打たれている。
素直に真っ直ぐに感情を伝えてくれる明日香に、好きとは言えないまでも、愛しいという思いを抱いている。
この気持ちがいつか恋心に変わってくれたら嬉しい。
そう思うくらいには明日香の存在が慶介の中でとても大きなものになっていた。
「悪くないもんだな」
たとえ偽物だったとしても、恋人という存在がいることは悪くないものだと実感している。なにしろ慶介の心は今とても優しい気持ちで満たされているのだ。
奈菜を前にしたときには切なさを覚えはしたものの、明日香の存在によってそれは別の感情へと昇華されていった。ポジティブな気持ちが前面に出てきて、今までのような苦しさを感じることはなかった。
こんなにも穏やかな気持ちで奈菜と向き合えたのは久しぶりだ。そのことに喜びを覚える。
自分の恋が叶わないことは遥か昔に受け入れているが、好きな人と顔を合わせれば、どうしたって感情は揺さぶられる。それはもうどうしようもないことだと思っていた。
だが、心の拠り所ができたことで、感情の揺れは随分と小さくなっていた。どうやら本当の意味で失恋を受け入れられたようだ。
それもすべて明日香のおかげ。もがき苦しみながらも、前に進もうと頑張り続ける彼女の力が慶介の心も変えてくれたのだ。
とても近い距離で、終わらない片想いに必死に足掻く彼女の姿を見て、慶介は強く心を揺り動かされた。
どうにかして明日香を救ってやりたい。自分も明日香のように足掻いてみたい。そう思った。
間違いなく彼女からいい影響を受けている。だからだろうか。明日香の存在が日に日にその輝きを増しているように思う。
明日香のことは友人として、同僚として、以前からとても大切に思っていたが、今はもっと強い思いで彼女を大切に思っている。
さすがに、恋心があるとは言えないが、友人以上には大切な存在になっている。
これまで長年そばにいて、慶介は明日香の人となりをよくわかっている。真っ直ぐで、不器用で、頑張り屋で、誰よりもかっこいい人。
そんな明日香を心から尊敬しているが、恋人という距離にいる今は彼女のかわいさに胸を打たれている。
素直に真っ直ぐに感情を伝えてくれる明日香に、好きとは言えないまでも、愛しいという思いを抱いている。
この気持ちがいつか恋心に変わってくれたら嬉しい。
そう思うくらいには明日香の存在が慶介の中でとても大きなものになっていた。