この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
第四章 深刻化する恋の錯覚

1. 二人は最強タッグ

 ミコメ食品本社の一室に集うのは、キャッツ&スターとのコラボ企画に携わる面々と各部の代表者、そして、副社長。

 今からここで開かれるのは、このコラボ企画の社内検討会。製品の方向性に問題がないかを検討するための会議だ。

 ここを通過しなければ次のステップに進むことはできず、最悪の場合は企画から立て直すこととなる。

 そして、この検討会が企画を進めるうえで最大の難所。なぜならば、この会の最終決定権が副社長にあるからだ。仮に各部の代表がよしとしても、副社長からゴーサインが出なければ、この検討会は通過できない。

 しかも、副社長は厳しいことで知られており、彼から合格をもらうことは容易ではないのだ。

 明日香は試作品を口にする副社長らの様子を固唾を呑んで見守る。

 今回のコラボで製作するパスタソースは全部で三種類。王子様キャラをイメージしたカルボナーラソース、ワイルドキャラをイメージしたアラビアータソース、そして、クールキャラをイメージした塩レモンソースの三つだ。

 カルボナーラとアラビアータに関しては、すでに好感触を得ており、残るは塩レモンのみ。

 だが、まだ安心はできない。試作品の中で唯一不安を抱いているのが塩レモンなのだ。

 なにしろこの試作品が出来上がったのはつい先日のこと。味の方向性が定まったのも、たった十日前のことだった。
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