この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
2. 不毛な恋
都内にあるオフィスビルの一階。勤務を終えた従業員がぞろぞろとビルから出ていく中、明日香もその流れに沿って歩いていく。
ミコメ食品の本社ビルであるここには、総務や営業など開発部以外の社員も多く勤めており、研究所とはまた違った雰囲気がある。
オフィス街にビルが建っているということもあり、少しせかせかとした印象が強い。
今日は本社勤務だった明日香も邪魔にならないようさっさと歩く。そうして出口に向かってずんずんと歩いていると、見覚えのある後ろ姿が目に入ってきた。
明日香と同じく本社に出社していた慶介だ。相変わらず自分のペースでゆったりと歩いている。
明日香は少し歩く速度を速め、慶介との距離を詰める。
「穂高」
背後から声をかけると、慶介はおもむろに振り向く。
「あー、お疲れ」
「お疲れ。ねえ、今日、杉崎行ける?」
杉崎というのは二人がよく通う小料理店のことだ。不思議なもので、この杉崎も、情報共有をしたわけでもないのに、いつの間にやら二人ともが常連になっていた。
本社に来たときには、それなりの頻度で店に顔を出しており、慶介と二人で連れ立って訪れることもままある。
今日は特に約束していたわけではないが、慶介に聞いてもらいたい話があるし、二人とも帰宅するところならばちょうどいい。
そんな考えで誘えば、慶介は軽く眉を上げてから答える。
「いいよ」
予定がないかぎり誘いに乗ってくれるだろうとは思っていたが、やはりあっさりと了承してくれる。この男は一見冷たいように見えて、意外にも付き合いは悪くないのだ。
明日香は「ありがとう」と返し、慶介とともに杉崎がある方へ歩き始めた。
ミコメ食品の本社ビルであるここには、総務や営業など開発部以外の社員も多く勤めており、研究所とはまた違った雰囲気がある。
オフィス街にビルが建っているということもあり、少しせかせかとした印象が強い。
今日は本社勤務だった明日香も邪魔にならないようさっさと歩く。そうして出口に向かってずんずんと歩いていると、見覚えのある後ろ姿が目に入ってきた。
明日香と同じく本社に出社していた慶介だ。相変わらず自分のペースでゆったりと歩いている。
明日香は少し歩く速度を速め、慶介との距離を詰める。
「穂高」
背後から声をかけると、慶介はおもむろに振り向く。
「あー、お疲れ」
「お疲れ。ねえ、今日、杉崎行ける?」
杉崎というのは二人がよく通う小料理店のことだ。不思議なもので、この杉崎も、情報共有をしたわけでもないのに、いつの間にやら二人ともが常連になっていた。
本社に来たときには、それなりの頻度で店に顔を出しており、慶介と二人で連れ立って訪れることもままある。
今日は特に約束していたわけではないが、慶介に聞いてもらいたい話があるし、二人とも帰宅するところならばちょうどいい。
そんな考えで誘えば、慶介は軽く眉を上げてから答える。
「いいよ」
予定がないかぎり誘いに乗ってくれるだろうとは思っていたが、やはりあっさりと了承してくれる。この男は一見冷たいように見えて、意外にも付き合いは悪くないのだ。
明日香は「ありがとう」と返し、慶介とともに杉崎がある方へ歩き始めた。