この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
 明日香は慶介にお茶を差し出しながら、当然の疑問を投げかける。

「突然、どうしたの? なにかあった?」

 いきなり明日香の家を訪ねてくるなど、どう考えてもおかしい。慶介を心配して問いかけた疑問だったが、慶介からはよくわからない答えが返ってくる。

「それは明日香だろ。なんでなにも言わないんだよ」
「え? えっと……」

 随分と険しい顔をしている慶介に、明日香は戸惑う。なにか言うべきことがあっただろうかと首を捻り、必死に考えていると、ふと一つの答えに行き当たった。

「っ! ……もしかして聞いたの?」

 明日香は恐る恐る問いかけた。

 とうとう彼も知ってしまったのだろうか。苦しい思いを抱えているのだろうか。

 そう思うと明日香の表情も険しくなっていく。

 二人は苦しみの表情を浮かべて、互いを見つめ合う。

「さっき聞いた。奈菜と将人が結婚するって。明日香は将人から聞いてたんだろ? どうして一人で抱え込むんだよ。なんで俺に言わなかった?」

 やはり慶介も知ってしまったのだとわかり、胸が痛くなる。

 今、慶介はとても苦しい思いをしているはずなのに、明日香の心配をするなど優しすぎやしないだろうか。

 慶介の優しさに余計に胸が痛くなり、明日香は強く眉根を寄せた。
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