極上御曹司からは逃れられない運命でした
まだ見慣れてなくてなんだか気恥ずかしい。

そんな中、隣の彼は我関せず。

「それで、何があったか話せる?」

え?
今ここで?

チラッと彼を見てしまう。

「あ、司輝は無視でいいよ」

私の気持ちに気づいたのか那子さんがそんな事を言う。

もう一度隣を見ても、彼も全く気にしていない様子だ。

別にいいか。
どうせもう会う事もないだろうし。

「私、なんか嫌われちゃう運命みたいで…。ははは」

「え? 凛花ちゃんが?」

それは意外だとも言いたそうに那子さんが驚いた顔をする。

「はい…。転校したばかりなんですけど…。今日は髪にガム付けられちゃって。へへ」

あんまり暗い雰囲気にしたくなくて軽い感じで答えた。

「はぁー? そういう事!? んで自分で切っちゃったの!?」

「はい。ちょうど強風で煽られて、無惨な事になっちゃって…」

誰かの噛んだガムが頭に付いてるのも気持ち悪かったし、触りたくなかったし。
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