極上御曹司からは逃れられない運命でした


「学生がお金の心配なんてしなくていい。いいから行くぞ」

そう言って司輝さんという彼はスタスタと歩き出してしまった。

ええ!?

「ま、司輝が出すからいいよ! 時間あるなら一緒に行こう!」

那子さんまでそんな事を言い出して、私の背中を押す。

「えっ!? いや、あのっ…」

なんだか今日の私はいつものように切り抜けられない。

結局断りきれずに着いて行くと、入った事もないようなお洒落なダイニングレストランに連れて行かれた。

き、気まずい…

何故か司輝さんは私の隣りに座って、那子さんは私の向かい側に座った。

なんかフレグランスなのかなんなのか隣から大人の良い香りが僅かに香ってきて鼻がくすぐったい。

人の彼氏に勝手に緊張してしまう。

「凛花ちゃん、やっぱり似合ってるねその髪」

そう言ってニコニコと私を見ながら那子さんが笑いかけてくる。
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