極上御曹司からは逃れられない運命でした
「悪かったって。怖がらせたか?」

そんな私を見て、司輝はハンカチで涙を一生懸命拭いてくれる。

「あ、腹痛い?」

違うよ…

「急にどうした? そんなに触ったのが嫌だったか?」

なんで私なんかの為にそんなに慌ててるの?

「俺のせいか?」

「もう…無理っ…」

「え?」

私はバッと立ち上がる。

「凛花…? 無理って…?」

司輝は不安そうに私を見下ろす。

その瞳は揺れて、本当に心配そうにしている。

私はガバッと司輝に向かって頭を下げる。

「ごめんなさい」

「凛花?」

「私はとっくの昔から…あなたに惹かれてました」

「え…?」

「司輝が、那子さんの兄だと知る前から…」

「それって…」

「初めて会った日からずっと…、ずっと…」

もう止められない。

「忘れられなかった…」
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