極上御曹司からは逃れられない運命でした
「あ、すいません。自分家族です。迎えに来ました。それじゃ」
え!?
その時なんと那子さんの彼氏が現れて直ぐに私の手を取り走りだし、近くに止めていた高級車に乗せた。
「お前、まだ帰ってなかったのか?」
「す、すみません」
「本当にさ、何やってんの? あのまま警察じゃなくて、最悪変なヤローにだって捕まってたかもしれないんだぞ」
ごもっともです…
「なんとか言えよ」
さっきとは打って変わってめっちゃ怒ってる。
「帰りの電車が人身事故で止まってしまって復旧の見込みが立たないって…」
そう答えると大きなため息を吐く彼。
「親は」
「…いません」
「いるだろ」
「仕事で海外に住んでて…」
彼は少しだけ黙る。