極上御曹司からは逃れられない運命でした
「俺のせいか?」

「もう…無理っ…」

「え?」

すると凛花は急にバッと立ち上がる。

「凛花…? 無理って…?」

もう俺とは無理だって事…か?

こんなにも不安に押し潰されそうになるなんて。

そしてガバッと俺に向かって頭を下げた凛花。

「ごめんなさい」

は?
ごめんなさいってどういう意味だ?

「凛花?」

そして少しの沈黙のあと、凛花が口を開いた。

「私はとっくの昔から…あなたに惹かれてました」

「え…?」

凛花は頭を下げたまま話続ける。

「司輝が、那子さんの兄だと知る前から…」

「それって…」

「初めて会った日からずっと…、ずっと…忘れられなかった…」

俺の中でブツっと音を立てて何かが切れた。
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