極上御曹司からは逃れられない運命でした


そして迎えた旅行の日。

空港に着いて行き先を初めて聞かされる。

「ニュージーランド?」

「ああ」

「ふふふ、楽しみっ!」

この旅行では余計なことは考えずに楽しむと決めて来た。

長めのフライトも眠ってしまえばあっという間で、タイムスリップしたみたい。

ニュージーランドは南半球で日本とは季節が逆。

空港からホテルへと向かうと、七つの階にそれぞれテラスが付いていて、見るからに最高峰って感じのホテルだった。

そうだった。

司輝は桁違いのリッチな男なんだった。

ホテルの外観を見て驚く私を司輝は終始穏やかな笑みを浮かべて見ている。

「可愛い」

そんな事を言って。

フロントでチェックインをして案内されたのはプレジデンシャルスイート。

広々とした部屋の窓からはレイクビューが一望できるようになっていた。

「Oh my gosh, I can't believe it!」(信じられない)

開いた口が塞がらない。

私の人生でこんな素敵な場所に泊まれる日が来るとは…

テラスにはジャグジーバス。

この絶景を見ながら堪能できるの!?

凄すぎる!

「ククククッ。久しぶりにお前の英語聞いた」
< 160 / 303 >

この作品をシェア

pagetop