極上御曹司からは逃れられない運命でした
あまりの美しさに心を奪われて思わず涙が出る。
こんな素敵な場所に連れて来てくれた司輝には感謝しかない。
私には何も返せるものなんてないのに…
司輝は私が泣いているのに気付くと優しくハンカチで拭いてくれる。
私は人もまばらにいるというのにギューっと司輝に抱きついた。
黙って私の背中に手を回して抱きしめ返してくれる司輝。
頭の上に司輝の顎が乗る。
「ククククッ、大丈夫か?」
私はフルフルと首を横に振る。
大丈夫なわけあるか!
感動で胸がいっぱいだよ。
「ほら見ないと勿体無いぞ?」
「司輝…、好き」
「はは。どうした急に」
穏やかな声が脳を支配する。
「私はどうしたらこの恩を返せる?」
「ククククッ、恩だなんて。そんなのいいから、ほら」
そう言ってグイッと頬を挟まれて顔を上げさせられた。
司輝はいつだって私の一番の理解者だ。
励ましてくれて、助けてくれて。
今はこうして寄り添ってくれる。
こんな人、こんな素敵な人いないよ。
さっきまで司輝の事を信じきれなかった自分に心底うんざりする。
もう私は間違わない。
絶対に。
そう胸に誓った。