極上御曹司からは逃れられない運命でした
すると二人はハッとした顔をしてまたスンと表情を引き締めた。

そして気を取り直し、みんなで大きなテーブルの椅子に座る。

「長野」

親父は長野の名前を低めの声で呼ぶ。

すると長野はメイドに合図をして俺たちの前に紅茶が出てきた。

凛花には色々テーブルマナーを聞かれて教えていた。

飲み込みが早く、今ではすっかり自然に出来るようになっている。

まぁ、もともと食べ方も所作も綺麗だったけど。

我が家ではカップの取手は最初から左側に置かれる。
砂糖とミルクを入れて飲むから。

でも正式なマナーは右側だ。

凛花は姿勢を正し、ごく自然にその取っ手を反時計回りにして右側に持っていく。

親指と人差し指で摘むように取っ手を持って、静かにカップを持ち上げ色を見て香りを嗅いだ。

「素敵な香り…、頂きます」

そう言って一口ストレートのまま飲む。

「美味しい!」

そして砂糖とミルクを入れてスプーンを手前から奥へと移動する。

クククっ、完璧だな。

親父とお袋を見れば凛花を見ていたらしく、少し驚いた顔をしている。
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