極上御曹司からは逃れられない運命でした
「ごめぇーん!」

その時後ろから凛花の明るい声が聞こえてきて俺は直ぐに振り返る。

「凛花! 探したぞ!」

慌てて駆け寄りガバっと抱きしめる。

「え!? やだっ…司輝!?」

「どこ行ってたんだよ!」

つい声が大きくなってしまう。

「ど、どこって…。トイレから出たら迷子の子を見つけて、インフォメーションに連れて行ってたの…」

「は?」

「連絡しようと思ったら充電切れちゃってて…へへ。ごめんね?」

なんだよ…
そういう事かよ…

「はぁ。良かった…無事で」

一瞬だが本当に焦った。
凛花がいなくなったと思った俺がどれだけ…

「頼むからもうどこにも行かないでくれ…」

俺は凛花を抱きしめ首元に顔をうずめる。
それは自分でも驚くほどか弱い声だった。

背中に回された凛花の手がポンポンと動く。

「うん。大丈夫、どこにも行かない」

「リンカー!!」

「皆んな!」

そっと凛花を離す。
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