極上御曹司からは逃れられない運命でした
目が覚めて私が隣にいなくて、どう思った?

逃げた私を笑った?

笑っただろうな。

安易に想像できちゃうわ。

司輝さんからしたら私みたいな女、ドジでマヌケで…

ちくしょう!

私も大人っぽくなりたいー!

あんな那子さんみたいな妹までいてさー。

はぁ。

司輝さんには格好悪いところばかり見られている気がする。

ソファで膝を抱えて足の指にネイルをしながらひたすらそんな事を考える。

気分転換にと思ってしたけど全く駄目だ。

あー!

薬指と小指に塗ったネイルが…

「くっついたぁーーー!」

何をしてもうまくいかない。

司輝め。

司輝めーーーー!

名前まで格好いいなんて!

こんにゃろー!

ググッと無理矢理足の指を自力で広げる。

ぬぁぁああーーー!

「つったーー! いたぁーーいーー!」
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