極上御曹司からは逃れられない運命でした
「凛花ちゃん、何かあったの?」

「いや…」

私は俯く。

「もしかして、家に帰りたくないの?」

核心をつかれ誤魔化す事も出来ずに諦めて頷く私。

「大丈夫? その…髪の事もだけど…」

だよね…。
さっき店ではあえて聞かなかったんだよね。

「ちょっと…、いろいろ人間関係が上手くいってなくてですね…ははは。でも大丈夫です。帰ります!」

私は極めて元気に返事をした。

「那子、腹減った。飯行こう」

すると少し離れた場所にいたはずの彼が近くまで来ていたらしく那子さんに話しかけた。

うわ、近くで見たらますます凄い。

身長も190センチくらいありそうなくらいの高身長で、スーツもなんだか高級そうなやつだ。

それに大人っぽい…

「司輝、待っててって言ったじゃん!」

「その子も連れて行けばいいだろ」

え?

「凛花ちゃん、ご飯食べた?」

「い、いえ…まだ…ですけど…」

「あ、本当? 行けそう?」

そう言われても帰りの電車代もあるし…

「いや…、でも私お金が…」
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