両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
可愛いなと思うのと同時に嬉しかった。
あの頃とは違う自分の大きな手のひらが。
そっとその額にキスをする。

「唯冬……?」

ぼんやりと目を開けて俺を見つめる。

「どうかした?」

「いや、眠って」

「ん……」

眠っている千愛の体を抱きしめて眠る。
いつも俺のそばで笑っていて欲しい。
あの日のように。

「誰にも傷つけさせない」

俺は強くなった―――はずだ。
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