両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
それに人気もあるし……
自分の現状と比べてしまって、憂鬱になりながらパラパラと雑誌をめくると小さい記事だけど、虹亜が出ていた。

『若く伸びやかな演奏をする。海外の音楽院で学び、卒業して帰国。今後の活躍が楽しみなピアニストの一人だ』

その後はインタビューが続く。

―――今後はどのような活動をされるんですか?
虹亜『まずは姉が出場した最後のコンクールに出場し、優勝します』
―――そういえば、お姉さんは天才少女と呼ばれてましたね。
虹亜『それも過去の話です。まったく弾けなくなって、今はただの人。両親が少し厳しかっただけでピアノを弾かなくなってしまったんです』
―――なるほど。厳しい練習が嫌になったわけですか。
『よくある話ですみません。だから、姉は失敗作だって両親は言っているんですよ。その失敗を生かして私には自由に弾かせてくれてます』
―――お姉さんで学んだんですね。
< 115 / 227 >

この作品をシェア

pagetop