両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「唯冬。私、その雑誌の中身は会社の後輩から借りてもう読んだの。だから、気にしないで」

「そうか……」

唯冬も中身を知っているようだった。
きっと虹亜のインタビューを読んだに違いない。
私の目につかないように雑誌を捨てたか、隠したのかもしれない。

「今度、唯冬のコンサートあるんでしょ?聴きにいってもいい?」

険しい顔をしていた唯冬の顔がゆるんだ。

「もちろん。それなら、特等席に招待しようか」

「うん。楽しみにしてる」

だから、そんな顔しないで。
唯冬は私より傷ついた顔をしていた。
苦しみを共有すると言った言葉は嘘じゃないんだとわかって、嬉しかった。
でも、それは気持ちだけでじゅうぶん。
私のように苦しまず、笑っていてほしい。

「大丈夫だから、唯冬はコンサート頑張ってね」

そう言うと唯冬はため息をついた。

「コンクールの時と同じだ」

「え?」

「もっと頼って、俺を」

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