両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
「そんな高いものだったの!?」

「雪元さん。もう少し世間を勉強しましょうよ」

あきれたように言われ、桜田さんは自分の机の引き出しをあけた。

「はいっ!どうぞ!」

いい笑顔でファッション雑誌を渡された。
これでも読め!そういうことですか?
なんてきついパンチを……後輩なのに容赦がない。
まだ昼休みが残っていたから、雑誌を開くとそこにはコンサートの宣伝のために撮ったと思われる唯冬の姿があって、パンッと閉じた。
あ、あぶなっ……なんなのこのテロ並みの危険度は。

「雪元さん。なにしてるんですか」

「手の運動をしただけ」

「はぁ?」

桜田さんの視線が痛い。
平静を装って、再び雑誌を開いた。
やっぱりいる……当たり前だけど。

「その三人組かっこいいですよねっ!クラシック界の王子様っ!」

「王子……」

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