両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
まるで誓いの儀式みたいに。
いつもより熱のある唇。
唯冬の繊細な指が髪をすく。

「千愛……」

名前を呼ぶ声が熱を帯びていた。
私には優しくて甘い砂糖菓子みたいな唯冬のキス。
その目は自分を見つめているのか、どうか確認する。
何度も。

「いつになったら、千愛は俺を見てくれるのかと思っていた」

「私、唯冬のこと見てるわ」

「今はね」

くすりと笑って首筋に唇を這わせた。
触れられたところが熱を持つ。

「俺のこと、千愛はずっと見えてなかったからな」

体中をなでて私の形を確認していく。
くすぐったくて、逃げようとするのを追ってまたキスされる。
肌に赤い痕をぽつぽつと散らして、唯冬は微笑んだ。
いつもそう。
唯冬は私の体に自分の痕を絶対に残す。
消えないように必ず。
なぜなのだろうと思いながら、唯冬の頬をなでるとその手のひらに唇をよせた。
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