両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
わあっ拍手が起こり、雨のような拍手。
お辞儀して微笑んだ。

「素敵だったわ!千愛ちゃん!」

小百里さんがわぁっー!と拍手してくれた。

「ありがとうございます」

椅子から立ち上がり、虹亜のほうへ歩いた。

「虹亜。私だけならともかく、他の人の迷惑になるようなことだけはやめて」

「ずいぶんと余裕なのね」

「余裕じゃないわ。私が学んでいる先生からのアドバイスで弾かせてもらっているの」

「先生?」

「隈井先生に師事しているのよ」

虹亜の顔が歪んだ。

「一度は断られたけど、この間のコンサートの演奏を聴いて興味を持ってくださったのよ。毎日ではないけど、みていただいてるの」

「そう。私はあんな先生に教えてもらうようなことは何一つないわ!」

なにを言われたのかわからないけど、きっと私と似たような言葉を言われたのだろう。

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