両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
二階席へ向かう階段がある場所で、緊急時は非常階段になる階段だった。
ひと気のない階段下までくると、虹亜は私ににっこり微笑んだ。

「ありがとう、お姉ちゃん。私を信じてくれて」

そう言うと階段下にあった倉庫のドアを開けた。

「え?」

ドンッと背中を突き飛ばされ、なにが起きたかわからず、転倒して床に膝をついた。

「虹亜!?」

驚き、顔を上げると鍵を手に笑う虹亜の顔が見えた。

「唯冬さんを使って私に仕返ししたつもり?」

「仕返しって……なんの話……?」

「しらばっくれないでよ!大恥をかかされたんだから!」

唯冬がなにをしたのだろう。
わからなかったけれど、虹亜は私が唯冬に頼んで嫌がらせをしたと思ってこんなことをしたのだということはわかった。

「これは私からの仕返しよ!」

「待って!本当に知らないの!」

「どこまでもしらばっくれるつもりなのね」

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