両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
そして、顔をあげた。
ピアノの鍵盤を指で撫でた。
唯冬の癖。
いつの間にか私も同じようなしぐさをするようになっていた。
私の音はもう一つではない。
この舞台の上にいても一緒にいてくれる。
今、ここに私の音を大切なあなたに捧げる。
これは始まりを告げる鐘の音。
二人で歩む未来への最初の音。
もう私の中から音が消え去ることはない。
私とあなたの二つの音があるかぎり―――
【了】
ピアノの鍵盤を指で撫でた。
唯冬の癖。
いつの間にか私も同じようなしぐさをするようになっていた。
私の音はもう一つではない。
この舞台の上にいても一緒にいてくれる。
今、ここに私の音を大切なあなたに捧げる。
これは始まりを告げる鐘の音。
二人で歩む未来への最初の音。
もう私の中から音が消え去ることはない。
私とあなたの二つの音があるかぎり―――
【了】