両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
なんとでも言えばいい。
雪元千愛が俺を見て話をした。
それだけで、俺にとってどんな嬉しいことなのか宰田にはわからない。

「あのー、ニヤニヤしているとこ悪いんですが、唯冬さん」

「うん?」

「共演のオファーがあるんです。#陣川__じんかわ__##結朱__ゆじゅ__#さんなんですが、どうしますか」

「結朱と共演?断わっておいてくれ」

「ですよね……。でも、結朱さんは女性で今一番人気のあるピアニストなんですよ」

「ふーん」

宰田はやっぱり断られたかという顔をしていた。

「金は稼ぐ。だが、それだけはやらない」

「知ってます。これは引き受けないっと……」

雑誌のモデルはいいんですねと言われたが、そうじゃない。

「女性と共演するなら、千愛だけと決めている」
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