両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
なんだか、うまく丸め込まれてしまったような気がするけど……
恋愛経験はゼロ。
これが私のスペック。
ピアノだけしかしてこなかった私の高校時代までの生きざまよ。
両親から恋愛禁止だと言い聞かされていた。
すべて私の生活はピアノが中心。
両親の言いつけに逆らえば暗い部屋に放り込まれ、ピアノの部屋から出してもらえなくなる。
それは私がうまく弾けない時も同じで、弾けるようになるまで出してもらえなかった。
暗い部屋を思いだし、ぶるっと震えた。
育ちや愛情のかけられ方―――私と唯冬じゃ正直釣り合わない。
まだ唯冬のことは詳しく知らないけど、すでにそんな気持ちになっていた。
きっと知れば知るほどその気持ちは強くなる。
せめて、あなたのためにピアノが弾けたらいいのに。
そう思っている自分がいた。
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