「逃げていいんだよ」と彼は言ってくれた。
「俺は藍沢さんとは逆で片づけはあまり得意じゃない。洗濯も一週間分溜めてするし、部屋は物で溢れているよ」
「これで物が溢れてるんですか? すごくスッキリしていると思うのでずか」
「ここは、汚れないように気をつけているから。下の部屋は足の踏み場がない程、本とか、DVDでいっぱいだよ。とても藍沢さんに見せられない」
「そう言われると見たくなります。今、すごく興味持ちました」
「ダメ。先生としての威厳が持てなくなるから」
ふざけたように言い、先生が笑う。
「ダメと言われたら、ますます見たくなるのが人情ですよ。気になって来た。物で溢れた部屋を片付けたい」
ぷっと先生が噴き出した。
「片付けたいって思うんだ」
「そうですよ。部屋が綺麗になっていくのを見るのが好きなんです」
「藍沢さんって、面白いね」
いつも真面目だって言われるから、面白いと言われたのが何だか嬉しい。
「私、面白いですか?」
「うん。意外なところがありすぎて面白い」
「意外なところって?」
「面倒見が良くて正義感が強いところ。あと、実は笑い上戸なところかな」
どれも初めて言われることばかりで戸惑う。
「私、面倒見がいいんですか?」
「コインランドリーの自動ドアに引っかかっていたら、助けてくれたし、乾燥機が終わるまで、話して相手になってくれた。それから、海鮮の美味しい居酒屋も教えてくれて、遊び友達になってくれるって言ってくれた。新参者の俺に親切にしてくれて、面倒見がいいと思ったよ」
どれも思いあたるけど、先生はそんな風に受け取ったのか。
「これで物が溢れてるんですか? すごくスッキリしていると思うのでずか」
「ここは、汚れないように気をつけているから。下の部屋は足の踏み場がない程、本とか、DVDでいっぱいだよ。とても藍沢さんに見せられない」
「そう言われると見たくなります。今、すごく興味持ちました」
「ダメ。先生としての威厳が持てなくなるから」
ふざけたように言い、先生が笑う。
「ダメと言われたら、ますます見たくなるのが人情ですよ。気になって来た。物で溢れた部屋を片付けたい」
ぷっと先生が噴き出した。
「片付けたいって思うんだ」
「そうですよ。部屋が綺麗になっていくのを見るのが好きなんです」
「藍沢さんって、面白いね」
いつも真面目だって言われるから、面白いと言われたのが何だか嬉しい。
「私、面白いですか?」
「うん。意外なところがありすぎて面白い」
「意外なところって?」
「面倒見が良くて正義感が強いところ。あと、実は笑い上戸なところかな」
どれも初めて言われることばかりで戸惑う。
「私、面倒見がいいんですか?」
「コインランドリーの自動ドアに引っかかっていたら、助けてくれたし、乾燥機が終わるまで、話して相手になってくれた。それから、海鮮の美味しい居酒屋も教えてくれて、遊び友達になってくれるって言ってくれた。新参者の俺に親切にしてくれて、面倒見がいいと思ったよ」
どれも思いあたるけど、先生はそんな風に受け取ったのか。