蜜味センチメンタル
その言葉に那色から額にそっとキスを落とされる。ゆっくりと、彼はすべてを羅華の中へ委ねていく。
ふたりの境界が溶け、静かに、深く繋がっていくその瞬間。
「……入った……?」
「……ええ……すごく……温かいです」
那色の動きは丁寧で、繊細で、まるで羅華のすべてを慈しむようだった。
触れるたびに熱がふたりの間に濃く滲み、静かだった室内には優しい息遣いと肌が擦れ合う音だけが残されていく。
ゆっくりと、深く。那色が動くたび、その表情がら歪むたび、羅華の中に快感の波がゆっくりと広がっていく。
擦れ合うたびに熱が高まり、次第に痛みは甘さへと変わっていった。
「……っ、…んぅ……ああっ!」
「羅華さん……羅華、さ、好き…っ…」
那色の言葉に、羅華の目元がまた静かに潤んだ。欲だけではない。そこにあるのは、密かに、確かに育んだ想い。
何度も肌を重ね、求め合うほどに、羅華の心は深く満たされていく。
心の奥に沈めていた不安や痛みさえも、那色の温もりに包まれてゆっくりと溶けていった。
「な、…那色、く…っ、やっ…も、……あぁっ…!」
どれほど抱き合っても足りないほどに、求め合う気持ちだけがそこにあった。
──こんな夜が、終わらなければいい。
羅華の心からの願いは、白に染まる世界の中で静かに満ちていった。