蜜味センチメンタル
羅華はまだ夢の続きを歩いているような顔をしていた。目を細めるように那色を見つめると、かすかに唇を動かす。
「……おはよう」
小さな、けれど確かに届いた声だった。眠たげな声色も、まだ乱れた髪も、すべてが愛しくてたまらなくなる。
「うん。おはよう、羅華さん」
那色はそっと返事をしながら、唇に軽くキスを落とした。それだけで羅華の頬がうっすらと赤く染まっていく。
その反応が可愛くて、くすぐったくて、けれど胸の奥がじんと満たされていく。
しばらくのあいだ、言葉を交わさずただ目を合わせていた。言葉がなくても、通じ合える時間があることを、初めて知った朝だった。
「…また、寝顔見てたの?」
やがて羅華が、掠れた声で言う。
「…はい。あんまりに可愛かったから」
「…そっか」
初めて同じベッドで迎えた朝にも似たような会話をした。あの時は怒られたけれど、今日の彼女は頬を赤く染めただけだった。
「……昨日のこと、後悔してない?」
不意に出たその問いはまっすぐだった。
羅華は少しだけ目を伏せ、それからまた那色を見つめた。揺れるまなざしがほんのわずかに揺れる。
「……おはよう」
小さな、けれど確かに届いた声だった。眠たげな声色も、まだ乱れた髪も、すべてが愛しくてたまらなくなる。
「うん。おはよう、羅華さん」
那色はそっと返事をしながら、唇に軽くキスを落とした。それだけで羅華の頬がうっすらと赤く染まっていく。
その反応が可愛くて、くすぐったくて、けれど胸の奥がじんと満たされていく。
しばらくのあいだ、言葉を交わさずただ目を合わせていた。言葉がなくても、通じ合える時間があることを、初めて知った朝だった。
「…また、寝顔見てたの?」
やがて羅華が、掠れた声で言う。
「…はい。あんまりに可愛かったから」
「…そっか」
初めて同じベッドで迎えた朝にも似たような会話をした。あの時は怒られたけれど、今日の彼女は頬を赤く染めただけだった。
「……昨日のこと、後悔してない?」
不意に出たその問いはまっすぐだった。
羅華は少しだけ目を伏せ、それからまた那色を見つめた。揺れるまなざしがほんのわずかに揺れる。