蜜味センチメンタル
「後悔なんて、してないよ。ただ、ちょっと…すごく……恥ずかしいだけ」
「分かります。僕も同じ」
「……ほんと?」
羅華がゆっくりと尋ねてきた。
決して責めることも、急かすこともしない声だった。
「ほんとです。こんなにちゃんと誰かを好きになるの、初めてだから」
「……はじめて?」
「はい。だって、こんなに近くにいても、まだ足りないんです」
どれだけの人と過ごしても、どこか満たされなかった理由。こうして隣で眠る人を、失いたくないと思う感情の重み。
全部、羅華が教えてくれた。
「だから…もう少しこのまま……抱きしめたままでいいですか?」
離れたくない。離したくない。
もっと触れたい。キスがしたい。
「……うん」
微かに涙ぐんだ羅華が小さく頷いたとき、ふたりの間にふわりと温かい空気が流れた。
窓の外では、朝の光が街をゆっくりと照らし始めていた。日常はもうすぐ、ふたりのもとに戻ってくる。
けれどその前に、ほんの少しだけ――このまま時間が止まってしまえばいいと思った。
そして那色は、もう一度だけ、羅華にキスをした。
それは、これからを約束するような、静かな誓いだった。
「分かります。僕も同じ」
「……ほんと?」
羅華がゆっくりと尋ねてきた。
決して責めることも、急かすこともしない声だった。
「ほんとです。こんなにちゃんと誰かを好きになるの、初めてだから」
「……はじめて?」
「はい。だって、こんなに近くにいても、まだ足りないんです」
どれだけの人と過ごしても、どこか満たされなかった理由。こうして隣で眠る人を、失いたくないと思う感情の重み。
全部、羅華が教えてくれた。
「だから…もう少しこのまま……抱きしめたままでいいですか?」
離れたくない。離したくない。
もっと触れたい。キスがしたい。
「……うん」
微かに涙ぐんだ羅華が小さく頷いたとき、ふたりの間にふわりと温かい空気が流れた。
窓の外では、朝の光が街をゆっくりと照らし始めていた。日常はもうすぐ、ふたりのもとに戻ってくる。
けれどその前に、ほんの少しだけ――このまま時間が止まってしまえばいいと思った。
そして那色は、もう一度だけ、羅華にキスをした。
それは、これからを約束するような、静かな誓いだった。