蜜味センチメンタル
──その後も、何度も確かめ合ううち、気づけば夜の帳は下りきっていた。
けれど触れ合うたび、肌を重ねるたびに、心の奥がやわらかくほぐれていくようで。
言葉にしなくても、抱きしめるだけですべてが伝わっていくような、不思議な感覚だった。
額に汗を浮かべ、指を絡めながらようやく那色が羅華の体から離れて耳小さく囁いた。
「……すみません、やりすぎました。……大丈夫ですか?」
羅華は目を閉じたまま、ふわりと笑う。
「……うん」
心地よい疲労に包まれながら、羅華は那色に腕を伸ばし、受け入れてもらえた胸の中に身を預ける。
遠くで空調の音が低く響いているだけで、部屋は静かだった。
目を閉じると、まだ彼の余韻が肌に残っている。
それが、ただ嬉しくて、安心で──
「……眠い?」
囁くように言われたその声に、微睡が浮かぶ。
包み込むような抱擁の中で、羅華は静かに眠りに落ちていった。
「おやすみ」
子守唄のように柔らかく、優しい声が鼓膜を撫でる。それはあたたかく、やわらかな夜の終わりだった。